参議院選挙2025
参議院選挙が終わったが、世に中が良くなるぞというような期待感はなにもない。どうなっていくのだろう。7月20日に投開票が行われた。自民公明の与党は目標としていた50議席を下回り、非改選を含めた参議院全体での過半数を割り込んだ。自民党政権が衆参両院で少数与党になるのは1955年の結党以来初めてだという。マスコミは自公大敗と報道している。
参議院の定数248のうちの改選124に欠員補充1を加えた125議席について選挙が行われた。自民党は13議席を減らし、公明党は6議席を減らした。一方、国民民主党は改選4議席を4倍以上増やす17議席を獲得、参政党は14議席獲得して議席1から15に拡大。日本保守党は比例代表で初の議席となる2議席を獲得した。野党すべてが拡大したわけではない。立憲民主党は22議席を獲得したが、増減なし。共産党は4議席減らした。
世界を見渡せば戦争が続き、トランプ大統領のディールに振り回されている。日本の財政は赤字が膨らみ、稼ぐ力、競争力は衰え続けている。今回の参院選での各党の争点は減税と給付金だったが、これでいいのか。マスコミの報道も表面的な部分に終始している。
自分自身周到に検討した上で投票したとは言い難い。選挙民がどこまで政策を理解して投票したかははなはだ心もとない。明日の実入りに目先が行く。日々の不満が、悪者を仕立ててそこに矛先が向かう。外国人規制の強化を訴えた参政党の躍進には、そんな背景が感じられる。新興政党が現れることは悪いことではなかろう。でもどこか頼りない。いくつもの新しい政党が盛衰を繰り返していくことになるのかもしれない。
自民党内では、選挙結果の責任問題として石破降ろしの声が高まっている。石破総裁を選んだのは自民党員ではないのか。それから1年も経っていない。衆議院選挙、東京都議会議員選挙、参議院選挙と3連敗。石破総裁の責任というよりも、自民党の体質への国民の意思表示と見るべきだ。ここで党内勢力争いに血道を上げるようでは国民の見限りが進むような気がする。
政治は安定してほしい。しかしこれまで通りの自民党政治でいいのだろうかという気もする。政治家は、ポピュリズムに流れることなく、問題の本質に切り込み解決に導ける人であってほしい。そして国民も、事の本質を理解してふさわしい政治家を選べる選挙民でありたい。
以上