初詣

毎年初詣には高尾山に行っている。行くようになってから50年ほどになる。むかしは親も一緒で、紅白歌合戦を見て、ゆく年くる年を見て、家を出た。高尾山のふもとから大勢の参拝者に混じって薄暗い参道を登った。お参りして家に着くのは明け方だった。親も自分の若かった。

今や自分も古希に近い年になり、ハードスケジュールは止めている。初詣の混雑を避けて、1月8日の午前中にお参りした。高尾山口駅を出てしばらくすると何やら人だかりができている。どうやらテレビ番組の収録のようだ。遠巻きに野次馬の一人になって見ていると、酒まんじゅうの店からサンドウィッチマンの二人が出てきた。六角精児に笹野高史もいたような・・・。

そして1月15日、むかしの職場仲間らと神田川沿いを街歩きしていたら、中野新橋で番組収録中のバナナマン日村に出会った。こちらを向いて「こんにちは~」と言いながらすぐ目の前を通り過ぎて行った。なんだか今年はちょっと違うかも。

昨年は能登半島地震での年明けだった。9月には能登半島豪雨災害だ。今年はどうだろう。この日本、災害から逃れることはできない。常に備えておかなければならない。30年前には阪神淡路大震災、14年前には東日本大震災。震災への備えが唱え続けられていたはずなのに、能登半島地震の際に充分かつ速やかな対応が行われたようには思えない。

南海トラフ巨大地震が今後30年以内に起きる確率が、これまでの70%から80%に引き上げられた。備えは進んでいるのだろうか。“津波から身を守る避難やぐらが設置されました”との話は聞くが、何人が助かる対策なのだろう。資金の乏しい自治体による、小手先の辻褄合わせで終わってはいないだろうか。

防災庁を作るらしい。“今からかい”と言いたくもなるが、抜本的な対応力の強化になる体制を早急に確立してほしい。外面的な形を作っても機能しなければ意味がない。人、施設、機材を備え、それらの連携、速やかな運営ができなければならない。

そう言う自分は備えができているのかと問われれば、胸を張れないのが実情だ。目に見えない将来のことに対してどこか甘えがある。どうも腰が重くて進まない。今年こそ気合を入れて身の回りを整えよう。

平和で穏やかな一年でありますように。しかし、災害はいつか必ずやってくる。どのように備えて、対応し、行動できるのか。一人ひとりから政府まで、国民の総合力が問われている。 以上