熊が日野市に出没したらしい。カメラに写っていたとの報道があった。他人ごとと思っていた熊の出没が、いよいよ身近に迫ってきた。12月5日時点までの今年の全国被害者数は230人で過去最多、死亡者13名で過去最多だという。山でのブナの実などの不作により、食べ物を求めて人間の生活圏に出てくる熊が増えた。熊被害の騒ぎを受けて、清水寺で発表された今年の漢字は「熊」だった。

 家の近くの道でよく鳩を見かける。2羽がペアでヒョコヒョコと歩いている。人慣れしていて人のすぐそばを怖がる様子もなくうろついている。こちらも鳩を驚かせないように横を通り過ぎる。鳩と人は何事もないように共存している。お互いに害を及ぼさないとわかっているからこそである。これが熊とあればそうはいかない。

 国際情勢でも同じことが言える。相対する国が穏やかで攻撃的でなければ共存できるが、強力な軍事力、経済力を持ち、攻撃的な国と共存することには気を遣う。こちらも軍事力を備え、経済力を高めて自主独立を目指すのか、それとも圧力をかけてくる国のご機嫌を見ながら従う道を選ぶのか。

 アメリカ、中国、ロシア、どれも熊のような存在だ。困ったものだ。今の日本、ひとまずアメリカを信じ、アメリカに守られていると思っているのだが、どこまで信じていいのやら。日本の自動車産業の発展を良しとせず、半導体産業の発展を良しとせず、対日制裁を課してきた。それにより日本人はどれほど苦しんできたことか。

 日米同盟は日本の外交・安全保障政策の基軸であり、日米関係を更なる高みに引き上げてまいります、と高市首相は所信表明演説をした。安全保障において、日本はアメリカに頼らざるを得ない。しかし、いざ日本が武力攻撃を受ける事態になった時、アメリカは助けてくれるのだろうか。あまり期待し過ぎないことだ。街に現れる熊に対しても、国際社会の熊に対しても、自分にできることをしっかり備えておくことが必要だ。

以上