衆議院選挙2026

2月8日に衆議院選挙の投開票が行われた。465議席のうちの316議席を自民党が獲得し、自民単独で定数の3分の2を上回った。これは絶対安定多数であり、戦後最大の議席獲得となる歴史的な大勝利となった。一方の立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合は、公示前の合計数167から49議席に減る惨敗となった。その内訳は、小選挙区での立候補を見送る代わりに比例選挙名簿で優遇された公明出身者28名が全員当選する一方で、立憲民主党出身の当選者は21人で、1/7に激減した。

 今回の選挙直前、高市首相への支持率は約70%、特に若者層からの支持を得ていた。自民党支持率が40%であるものの、高市人気が自民党勝利を導いたと言えよう。

 台湾有事が日本の存立危機事態になり得るとの高市首相の発言に対する中国の激しい反発、日本への制裁措置が大いに選挙に影響を与えた。そもそも高市発言を誘導したのは立憲民主党の岡田克也議員だとの批判もあり、媚中派だとして立憲民主党、公明党への批判も強まった。衆議院選挙の結果は、存立危機事態発言を巡る問題に対する国民の意思表示とも捉えられる。高市政権は絶対安定多数となり、岡田氏は落選、立憲民主党は激減した。

 選挙直前に立憲民主党と公明党が一緒になって新党中道改革連合を立ち上げたのも驚きであった。「責任ある積極財政。日本列島を強く豊かに。」というフレーズで高市政権の政策イメージが国民に広がっていたのに対して、中道改革連合がどのような政策を進めようとしているのか、皆目不明であった。聞こえてくる言葉は、「大儀なき解散選挙はけしからん」、「政治とカネの問題を許すわけにはいかない」、だ。

 中道改革連合は自分たちの政策を語らずに、自民党への批判だけだ。政治とカネの問題ひとつでいつまでも支持が得られると思っているのだろうか。それでいて政権交代を目指すと言っている。国民は、中道改革連合の中身のなさを見透かしたということではないだろうか。それに加えて、安住幹事長の人を見下した不遜な態度も国民の反感を買った。

 民意のうねりとは凄い。恐ろしいとも言える。石破政権下の参議院選挙での自民党惨敗からわずか半年。頼りなさげだった自民党からの変貌ぶりに驚いてしまう。「責任ある積極財政。日本列島を強く豊かに。」の自民党の大勝は好ましいものと思っているのだが、民意が共振現象を起こして大きく振れ過ぎないことを祈る。

 今回、まだ新しい「チームみらい」が11議席を獲得したことにも注目したい。党首の安野貴博氏は、東大工学部でAIを学び、SF作家でもあり、ボストンコンサルティングに勤務していた。これまでの政治家とは違う雰囲気を持っている。演説ぶりを聞くと、真摯な若者だ。凝り固まった日本の政治の世界に多様性を持ち込み、新しい風を吹かせることができるかどうか、期待しながら見守っていきたい。

以上