庭の同居者

2022/07/27
 東京の郊外に住んでいます。住宅地ではありますが、少し歩けば雑木林があり、多摩川が流れ、上流の方に目をやれば奥多摩の山々が望めるような所です。小さいながらも雑草に覆われがちなスペースがありまして、思いがけない生き物が住んでいたりします。
 まず紹介したいのが、ヒキガエル。10年以上むかしから見かけます。代替わりしているのでしょうか。近くには水辺もないのに生きているのが不思議です。今年の春先に、干からびたカエルの死骸がありました。一時とても暖かくなり、その後に雪が降るような寒さが戻りました。冬眠から覚めるのが早すぎたのではないだろうか、もう絶えてしまったかもしれない。と思っていましたら、先日足元でがさがさ動くカエルを見かけて、あっ生きていた。うれしい再発見でした。
 玄関の軒のあたりにヤモリが住んでいます。玄関の外灯に集まる虫を餌にしているのでしょう。たまに玄関の窓ガラスにくっついていて、先の丸まったモミジのような手足、白いおなかを見せています。ヤモリは「家守」と書いて、縁起がいいらしい。ありがたいことです。因みに地面には、トカゲもいます。
 そして、長さ1センチほどの縦長の巻貝。これは結構珍しいのではないでしょうか。これを見かけるまで知りませんでした。ネットで調べてみると、キセル貝というもののようです。陸生の貝で、カタツムリと同じ仲間とのことです。ほとんど姿を現わさないのですが、玄関のドアや壁にくっついていることがあります。動いているのを見たことはありません。くっついたまま、何日も同じところにいるので、死んでいるのかなと思うのですが、そのうちにいなくなりますので、やはり生きているのでしょう。
 それにしても、みんなどこからきたのだろう。50年ほど前は、近くに田んぼもあったので、カエルの鳴き声も珍しいものではありませんでした。しかし今もカエルがいるなんて、という感じです。ヤモリやキセル貝はなお更不思議です。住むのにいい環境ではないでしょう。今は暑い夏。秋が来て、寒い冬が来ますが、みんな元気でいてね。